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8,[本(社会)]強いられる死 自殺者三万人超の実相[感想,考察]

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強いられる死 自殺者三万人超の実相
強いられる死 自殺者三万人超の実相斎藤 貴男

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<<目次>>
1,参考箇所(本文より引用)
2,まとめ,感想,考察




<1,参考箇所(本文より引用)>
P7:彼らの一部は、まさに死に場所を求めて東尋坊を彷徨っていた。あとの八人もまた、多重債務者や勤め先で精神的な虐待を受けた人、うつ病、同級生にいじめられている高校生たちだったというから、いずれにせよ目下の時代状況をそのまま反映した光景であるのには違いない
P15:「(中略)私たちはついつい自殺者が増えた、減ったという言い方をしてしまいがちですが、自殺者は本質的に減ることがありません。三万三〇〇〇人が自殺した次の年が三万人になったからって、差し引き三〇〇〇人が生き返ってくるわけではないんです。ただ増えていくだけ。しかも、一人が亡くなると、だいたい四、五人のご家族がご遺族になります。三万人が自殺すれば十二万人から十五万人。こちらも決して減りません」
P24:競争社会から弾き飛ばされた人々が飛び降りる結果になるというよりも、世の中の側が自殺に追い込まれていく人間をあらかじめ生贄か栄養源として計算しておき、よってたかって貪り尽くす。それをまた、小賢しいマスコミ政治家が、経済活力だ生産性の向上だと称して賞賛しては拍車を掛けていく。過去10年間の日本では、そんな悪循環ばかりが繰り返されてきたのではなかったか。東尋坊から日本海を眺めている場合ではない。東尋坊の視点から陸地を向いて、日本の社会を見据える必要がある
P28:深夜の帰宅や休日出勤が当たり前。好きだった酒も体が受け付けないことが増え、明け方になると仕事をしている夢を見て、汗びっしょりで目を覚ます。前々日の11月6日の夜10時頃には、やはり休日出勤していた職場からの電話で、「48時間働いても仕事が終わらないよ」と嘆いていた。M子さんの回想。「夫は思いやりのある優しい人で、愚痴や、他人のことを悪く言うことがない人でした。それだけに河村課長について、『お前なんかいてもいなくても同じだと言われた』と洩らしたことが強く印象に残っています。かなり堪えていた様子で、普段だと出迎えた私を軽く抱擁するだけで、すぐに靴を脱ぎ玄関を上がって着替えるのに、そう言って帰ってきた時は私を抱きしめたまま、いつまでも動こうとしなかったんです。夕食の支度をするからと促して、ようやく……。(中略)」
P30:しかし、次第に仕事が深夜に及ぶようになり、翌年に入ると週一、二回は午前二時過ぎまで会社に残ったが、始業の午前九時半に間に合うよう、午前八時頃には家を出ていた。91年8月には三日に一回は午前六時半まで残業、会社に近い父親の事務所で泊まるなどした。このころ「人間としてもうだめかも知れない」と言ったり、無意識に蛇行運転をしたりするような異常な言動も目立ち、担当していたイベントが終わった翌日に自宅で自殺した
P68:総務主任のHさんのことです。まさに「深夜勤」の勤務に就いていたその最中に倒れ、無念にもその命を終えられました。この方は、突然ぶつぶつとひとり言を言うようにしゃべった直後、突っ立ったままの状態で後ろへ、まるでスローモーションのように、ダーンと倒れたのでした。膝から崩れ落ちるのではなく、まさに直立したままの状態で倒れたのです。……〈中略〉……まだ44歳の若さでした。死因は、頭蓋骨骨折・脳挫傷・クモ膜下出血となっています。しかし、「深夜勤」を強いられて亡くなったに違いありません。この方は、4週間に6~7回の「深夜勤」を強いられていたからです←※裁判での意見陳述書
P74:「そういうこともあって、評価だの成果主義だのと言ってみたところで、所詮は人事考課をする立場の人間の胸先三寸でしかないのだと、私は痛感させられています。要するに好き嫌いで給料まで決められる。一方的に給料を下げられたくなければどうするか。上へのゴマスリに徹するしかないのが現実なんです。M子の病気そのものは民営化のせいじゃありません。ただ、もう少し適切な措置を取ってくれていたら、と思うんです。職場の人間関係の相談窓口の責任者でありながら、妻の上司は、自分の部署の揉め事を表沙汰にしたくない一心で、何もなかったことにしようとした。古いタイプの公務員そのもののコトナカレ主義に骨の髄まで浸かった人間に、民間の人事考課や成果主義を当てはめればどうなるかという、まるで見本のような悲劇じゃないですか。そう、何もかもが下の者に押し付けられて、ついには殺されてしまう人間も出てくる。自然と言えば自然に過ぎる成り行きですよ」
P102:暴力団まがいの取り立てを日常的に繰り返すサラ金や闇金融の背後には巨大なザ・セイホが控え、生命保険本来の意義とはまったく別の世界で彼らの上前を跳ねていた。彼らをひっくるめて融資先とし、さらに高みに君臨して、より巨額の利益を上げているのが、国内外の巨大金融機関、ファイナンシャルグループの数々、さらには個人消費を目いっぱい煽らなければ立ち行かなくなりつつある経済システムそのものであることも、改めて指摘するまでもないかもしれない
P114:「経営者の自殺は武士の切腹に似ている。一国一城の主が、複雑に入り組んだ問題を一気に解決する手段だと考えられているようですね。家族の幸せを守るためには自分が死ぬしかないなどと思い詰めがちです。夫婦で相談に来られた場合、ですから最初にやってもらうのは、奥様にご主人の生命保険を解約していただくこと。退路を断つ。金融機関や債権者にどれだけ追い詰められようと、死による清算はあり得ず、死んでも死に損だと思わせることが、自殺予防の第一歩なのですよ」
P116:自営業者や中小企業経営者の自殺が後を絶たない。従業員や、株主、取引先などに多大な責任を負っている彼らが、雇われて働いている人々よりも追い詰められて自ら死を選ぶ危険性が高いのは、もともと常識に近かった。ところが過酷なリストラや成果主義の徹底、労働者としての権利に守られない非正規雇用増大などで職場の荒廃が進み、パワハラなどのいじめによる勤労者、サラリーマンの過労自殺の方がクローズアップされがちな近年では、経営者たちの自殺はどこか顧みられる機会が減ってしまっている感がある
P159:一般企業の方が上等だという意味では決してないが、しかし、自衛隊でのいじめの実態は、むしろ中学校のそれに近い気がする。外界と接触する機会が限定された、よく言えば純粋な、閉ざされた世界であるせいなのか
P177:「教頭先生に、『同じ教室の中にいて、なんで止められないんだ。お前は問題ばかり起こしやがって』と面詰されたというのです。それで夏休み前に研修主任の男性教師から受けた非難がフラッシュバックしてきて、本当に辛くてたまらない、と。こう言われていたというんですね。『お前の授業が悪いからEが荒れるんだ』『アルバイトじゃないんだぞ。しっかり働け』」ほぼ同じ内容の話を、木村さんは学生時代からの友人にもメールで送信していた。そこには〈同じ学年の先生達は「いい人」だけど、基本的に助けてくれない〉〈私は最善を尽くしている〉などとあった。
P178:9月28日、木村さんは保護者からの手紙を受け取った。彼女の指導に対する強い不満と苦情が、丁寧な文面で綴られていた。こちらも精神的に参っている、との記述もあった。「もう電話するのはやめなさい。しばらく待つのが一番いい」木村さんは教頭に諭された。幾人かの同僚が手紙について本人の話を聞いたらしい。フラフラの状態で、彼女はそれでも製作中の文集の原稿を持ち帰ったという。自殺はその翌日だった
P216:「過労死も過労自殺もあまり変わりません。過剰な負担と長時間労働、上司の言動に強いられるストレスが、人間の生理を超えた負荷が、一人ひとりの人間の最も弱い部分にかかるのです。それが血管や内臓であれば過労死するし、精神にかかれば自殺に追い込まれる。それだけの違いなんです。20年前と比べても、経済的に当時以上に豊かになったはずなのに、どうしてだと思います?成果主義の問題。経営者が労働者の仕事を減らす努力をこれっぽっちもしていない。IT化の進展で人間の管理が一気に進んできたことも大きいですね。ケータイを持たされては夜間も休日もひっきりなしに連絡が入る。面と向かっては言えるはずのないような指示や叱責がメールで送信されてきます。おかしくならない方がヘンなぐらいになってしまったのですよ。今のこの国の社会は」
P225,226:斎藤 たとえばーー。
清水 無職の方であれば、警察の統計では生活苦と提示されがちですが、最初のきっかけは体を壊したことだったと。それで仕事を長期間休んだら解雇された。お金を借りて返せない。やがて多重債務、家族の不和に陥り、うつ病になって自殺、などという具合ですね。要因が連鎖していくわけです



<2,まとめ,感想,考察>
自殺はなぜ起きるのか。はたして、その人はいかにして死を選んだのか。
『いずれにせよ目下の時代状況をそのまま反映した光景であるのには違いない』。時代によって、自殺者の境遇が変わっている。新しい時代になれば、新しい地獄や苦しみが待っているということだろう。
『自殺者は本質的に減ることがありません』『一人が亡くなると、だいたい四、五人のご家族がご遺族になります』。約三万人ずつ、毎年自殺している。そして、残された遺族は周囲の非難や周囲との疎外感に苦しむだろう。これまで自殺した人達、遺族になった人達を合わせると、膨大な人口である。日本という国は悲しみや望まない死によって包まれているといえるだろう。
『世の中の側が自殺に追い込まれていく人間をあらかじめ生贄か栄養源として計算しておき、よってたかって貪り尽くす』。とてつもない幸せを享受している人達の裏側には、とてつもない不幸を享受している人達がいるだろう。度を過ぎた幸せを得る前に、その幸せを得たのはなぜかを考えなければならないだろう。その度を過ぎた幸せを手に入れたら、誰かが度を過ぎた不幸を手に入れて壊れてしまうかもしれない。反対側を意識すれば、自分の行動を省みることにつながり、度を過ぎた不幸を手に入れずに済む人が生まれるかもしれない。
『お前なんかいてもいなくても同じだと言われた』『この方は、4週間に6~7回の「深夜勤」を強いられていたからです』『そう、何もかもが下の者に押し付けられて、ついには殺されてしまう人間も出てくる』。社会が、会社が、人間が殺しにかかっているといえるだろう。自らの苦しみを誰かに渡す。または悪口などのように、幸せを感じるために苦しみを作り出して、他の人に渡す。優しい人はそれを他の人に渡せなかった、といえるだろう。
『生命保険本来の意義とはまったく別の世界で彼らの上前を跳ねていた』。命を生贄にして度を過ぎたお金を生み出しているのではないか。金は命よりも重い、といっているようなものではないか。
『自営業者や中小企業経営者の自殺が後を絶たない』。自分を助けてくれる人がいなかったのだろうか。自分以外に分かってくれる人がいなかったのだろうか。働いている部下が声をかけたり、気遣う雰囲気があれば、それが自殺を考えようとする人の心に届くかもしれない。
『外界と接触する機会が限定された、よく言えば純粋な、閉ざされた世界であるせいなのか』。いじめは、学校から始まり、大人になっても自衛隊や会社内で起こっている。出口があること、外に開かれていること、多くの人に触れ合えることが求められるだろう。
『フラフラの状態で、彼女はそれでも製作中の文集の原稿を持ち帰ったという』。精神が追い込まれている人に気づくことができれば、自殺を止めることができるだろう。気づかなければ、精神に余裕がないところに追い討ちをかけることになるだろう。相手をよく見て、理解しようとする雰囲気を作ることが、精神の余裕につながるのではないか。
『ケータイを持たされては夜間も休日もひっきりなしに連絡が入る』。休みがとれること、考える時間がとれることを人は望んでいるのではないか。
『要因が連鎖していくわけです』。連鎖するのであれば、大きいと思われる問題は、はじめは小さいことだったといえる。精神を追い込んだり、思いやりをなくしたりしなければ、人としての余裕を持って生きることができるだろう。
自殺が「強いられるもの」であることが感じ取れる本です

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[2015/04/19 03:32] | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















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